松浦玲著「新選組」の読後感想文
読みました。読みました。やっとこさ・・・。こんなに丁寧に読むのは珍しいってほど。で、やっと私の中で近藤勇と言う人物と新選組と言う組織に対する考え方が固まって来ました。でも今後もっと真実に迫った本が読めたなら幾らでも覆りそうです(笑)。

前回後半で述べた「あの時代に本当に正しい事が出来た人は一体どれだけいたのだろう?」と言う一文が私の中でほぼ結論。余りに強烈な人材が多過ぎて、余りに様々な考えがあり過ぎて、それでいて相手を受け入れると言う考え方が持てなかった時代ではないだろうか。今に通じてるかもしれない。今対話の時代と言われ、武力行使するのではなく、相手を尊重し、相手を受け入れつつ、自分の考えを伝えて行く。その中で最も良い目指すべきものを見出す。それは未だに出来ている行為ではないけれど、当時それが出来たなら今、日本は物凄い事になっていたかもしれない。あの当時もほんの一部の人だけはそれが出来た。それが何とかかんとか日本を完全な焦土と化せずに済ます事が出来た要因ではないだろうか。新選組が間違っていたと言える分と同じ位、他にも間違っていると言っていい部分があった。会津で言えば西郷頼母の意見をもっと重要視すべきだった。薩長は戦いによって変革すべきではなかった。幕府はもっと先見の眼を持たねばならない立場のはずだった。安寧とした立場にあぐらかいて座ってる者と、日本を変えたいと強く思う者とが戦えば、勢いのある方が勝つに決まっている。ただそれだけの事だった。でもそれは今だから言える事なので、当時の人達を責める事は出来ない。

ただ

それから100年以上経った今、日本はどう変わってるだろうか。あの頃の真剣さは今何%残ってるのだろう。むしろ衰退してないだろうか。見た目の豊かさと反比例して、心はどんどん貧しくなってないだろうか。せっかく興味を持った幕末と言う時代。大量の本を読んで勉強しているのだから、これを今の時代に役立てなくては先人に失礼な気がする。尊い命を賭けて世の為人の為と戦った数多くの有名・無名の志士達。その遺志を継ぐ事が幕末ファンの使命と思う事にする。
2006/06/12